すべてのお客さまの安全と快適のために、私たちは、「やさしい鉄道」を目指しています。
鉄道事業では、都心から川崎・横浜・横須賀を経て三浦半島に至る本線、空港線、大師線、逗子線、久里浜線の5路線を運営しています。87.0kmの営業路線を774両の電車によって、1日延べ30万kmを走行し、約121万人のお客さまにご利用いただいています。通勤・通学の足として暮らしを支える一方で、羽田空港へのアクセスという点でも重要な役割を担っており、2010年10月21日には「羽田空港国際線ターミナル駅」を新設しました。 私たちは、安全で快適な輸送サービスを通じて、公共交通機関としての社会的使命を遂行し、沿線地域の発展に貢献していきます。
羽田空港を中心とした進化
羽田空港へのアクセス強化

羽田空港へのアクセスとして、1998年11月18日に空港ターミナル直下に羽田空港駅を開業して以来、ご利用者数は年々順調に増加し、2008年1月には開業以来2億人を達成しました。
また、羽田空港の国際線就航にあわせ2010年10月21日に「羽田空港国際線ターミナル駅」を新設しました(羽田空港駅は「羽田空港国内線ターミナル駅」に改称)。これに先立ち2010年5月には、品川から羽田空港までノンストップで運行する「
エアポート快特」と、横浜方面へ直通する「
エアポート急行」を新設し、ますます需要が高まる羽田空港へのアクセスを強化しました。
空港線に「羽田空港国際線ターミナル駅」を新設
羽田空港の本格的な国際化にあわせて、京急電鉄では、空港線の天空橋~羽田空港駅間に、「羽田空港国際線ターミナル駅」を新設しました。1998年に開業した羽田空港駅(羽田空港国内線ターミナル駅に改称)以来73番目の新駅の設置となります。

1. ホームから出発ロビー、到着ロビーからホームへ一気にアクセス
下りホームに4台、上りホームに3台の大型エレベーターの使用、または直行エスカレーターで、ホームから出発ロビー、到着ロビーからホームへと、途中で乗り換えることなくダイレクトにアクセスできます。
2. 荷物用カートをホームまでお持ち込みできます
ホーム幅員約14mを確保し、おみやげなど大きな荷物を荷物用カートに載せたままホームまでご利用いただけるよう、利便性の向上に配慮しました。

カートを利用するお客さまでも使いやすい大型エレベーター
上り線ホーム
3. 安全性を考慮したホーム柵を設置
安全を確保するために、京急線では初となる可動式ホーム柵を設置しました。
4. 改札はワイドタイプを採用
通常の改札より広い90cmのワイドタイプを採用し、通路幅を確保しました。スーツケ−スや荷物用カートをご利用のお客さま、車いすのお客さまもスムーズな移動が可能です。

ホームの安全性を考慮し設置したホーム柵
上り線ホームへ向かうワイドタイプの改札
京急ステーションコンシェルジュの設置

京急線品川駅、羽田空港国際線ターミナル駅、羽田空港国内線ターミナル駅がお客さまにとって、より便利で快適にご利用いただけるよう、案内専門の係員「京急ステーションコンシェルジュ」を配置し、ご案内に努めています。
京急蒲田駅付近連続立体交差事業
羽田空港アクセス向上を目指して、京急蒲田駅を大規模改良しています。東京都の都市計画事業として行っている京急蒲田駅付近連続立体交差事業にあわせて、京急蒲田駅を二層高架構造とすることで、都心(品川)方面からの直通電車がより充実し、現在の10分間隔から6~7分間隔に増加します。さらに、横浜方面からの直通電車も現在の20分間隔から10分間隔に増加し、羽田空港アクセスが大幅に向上します。
また、平和島~六郷土手駅間(約4.7km)および京急蒲田~大鳥居駅間(約1.3km)の高架化により、環状8号線(環8通り)や国道15号(第一京浜)を含む28か所の踏切が廃止され、道路渋滞や踏切事故の解消につながるなど、安全性が高まるとともに電車やバスの定時運行に寄与します。2010年5月には全区間において上り線を高架化。これによって、踏切遮断時間が大幅に減少し、「開かずの踏切」を解消しました。また、2010年9月、環状8号線付近の下り線を高架化し、環状8号線の踏切を廃止しました。全事業区間の高架化は2012年の予定です。

大師線連続立体交差事業
川崎市の都市計画事業として行われている、大師線連続立体交差事業(地下化)は、2006年9月、工事に着手しました。この工事は、大師線約5kmのほぼ全線を地下化することにより、東京大師横浜線(産業道路)をはじめとする計14か所の踏切を除却し、道路交通の円滑化を図るものです。現在、事業の効果を早期に発揮させるため、東門前駅付近~小島新田駅付近の約980mの区間において、段階的整備として地下化工事を行っています。この工事により、産業道路を含む3か所の踏切がなくなります。
産業道路駅付近での掘削状況
産業道路駅完成イメージ
安全・安心への取り組みとサービスの向上
車両の安全対策
新1000形
毎年度、継続的に車両の新造を進めており、2010年度は28両導入し、2011年度も26両を導入します。また、あわせて車両の更新も行っています。
※2011年度計画
- 新造 新1000形 26両 (8両編成×1本、6両編成×3本)
- 更新 600形 20両
鉄道の“動脈”である電車線

電車へ電気を送る電車線は、切れにくい京急電鉄独特の「合成電車線」を採用しています。現在、電車線架設方法は、シンプルカテナリー、合成電車線の2種ですが、今後は全線合成電車線化する計画です。また走行しながら鉄柱間の径間、電車線の高さ・偏位・太さを測定できる架線検測車を導入し、保守作業の効率化を図っています。
定期的な検査と整備
車両管理区での点検
電車を安全に運行するために、新町・金沢検車区と車両管理区において車両の検査を行うとともに、快適な車両を提供するため、整備を実施しています。営業線の安定運行を円滑に行うため、総合司令所の運輸司令と連携して、突発的な事態に素早く対応できる体制をとっています。
線路の点検と保守作業
マルチプルタイタンパー
電車の運転本数の増加や長編成化、スピードアップ化が進められ、電車の安全輸送はもちろんのこと、乗り心地の向上も重要な課題となっています。線路の保守作業は、軌道検測などの保守点検を定期的に実施していますが、主に深夜作業となるため、大型保線機械を導入し、保守作業の効率化、スピード化も進めています。
環境を守るさまざまな設備
大量輸送機関として欠かせない鉄道は、航空機、乗用車など数ある輸送機関のなかでもとりわけエネルギー効率の良さで注目されていますが、電車の運転本数の増加や、駅にエスカレーターやエレベーターを設置するのに伴い、必要とする電力は年々増加しています。そこで、電力使用量を抑制するため、省エネ車両の導入、車両の軽量化および電力の再利用に取り組んできました。 1978年の新造車両から「界磁チョッパ制御方式」や「回生ブレーキ」を採用、1988年からは軽量化を図るため車体を「アルミ合金製」にしています。その後1990年以降の新造車両には交流モーターを用いた「VVVF制御方式」を導入しています。さらに、この省エネ車両の列車がブレーキをかけるときに発生する電力(回生電力)をフライホイールに機械的エネルギーの形で蓄勢し、必要なときに電力に変換して電車線に戻す「フライホイール式電車線電力蓄勢装置」や、回生電力を直流から交流に変換し、駅の高圧配電設備に供給する「電力回生インバータ装置」を設置し、電力の有効活用を図り、電力使用量の抑制に努めています。
また、電力の安定供給を図るため、変電所の新設や高性能機器への更新を行ってきました。なお、現在20か所ある変電所は、すべて総合司令所施設司令が遠隔制御しています。
1.電力回生インバータ装置
1998年5月に空港線天空橋~羽田空港国内線ターミナル駅間に羽田変電所を新設し、本装置を導入しました。
2.フライホイール式電車線電力蓄勢装置
フライホイール式電車線電力蓄勢装置
1981年に瀬戸変電所に試験的に設置。その実績をふまえ、1988年8月に逗子線神武寺駅~新逗子駅間に逗子フライホイールポストを新設し、本装置の運転を開始しました。
3.オゾン層破壊物質の使用削減
変電所の整流装置の冷媒は、オゾン層破壊係数と地球温暖化係数がゼロとなる純水ヒートパイプ自冷式を採用しています。
駅の安全対策の実施
1.AED(自動体外式除細動器)の全駅設置

2006年6月から主要15駅にAEDを設置、同年11月には全駅に設置を完了し、現在では、泉岳寺をのぞく全72駅81台を設置しました。なおAED導入に際して、全駅の係員が普通救命講習を受講しています。
2.非常通報ボタンの設置

ホームに設置している「非常通報ボタン」を押すことで、運転士に危険を知らせることができる装置を、2011年3月現在66駅に設置し、事故の防止を図っています。
3.金沢文庫駅改良工事
金沢文庫駅では、朝ラッシュ時の混雑を緩和するため、上りホームほかの改修工事を行っています。2009年度は上りホームの線路を移設し、2010年度にホームを拡幅しました。
鉄道テロ対策


鉄道テロ対策の一環として、駅係員や警乗警備員などによる列車内、駅構内、鉄道施設などに対する巡回、点検を強化しております。また、ホームから駅事務室へのお問い合わせや、不審物を発見した際の通報に使用できるインターホンを全駅に設置したほか、駅構内への防犯カメラの増設も進めて、2011年3月末時点で71駅563台設置しております。さらに、テロを想定した訓練を警察・消防と合同で実施しております。
バリアフリーへのさまざまな対応
多機能トイレ

移動の障害となる段差を解消するため、駅のバリアフリー化を進めています。2010年度には、新たに7駅にエレベーターを設置し、2駅にスロープを設置しました。あわせて、駅改良のほか、どなたでもご利用いただける多機能トイレの設置を進めています。
サービス介助士

お年寄りやおからだの不自由なお客さまが安心して駅をご利用いただけるよう、サービス介助士の資格取得を推進し、また、お客さまからの介助要請や急病人に対して的確に対応できるよう「普通救命講習」の受講を進めております。また、2007年12月から、お客さまが有資格者を一目で認知できるよう、バッジにより資格取得表示を行っております。
利便性の向上 ── 駅ナンバリング

「羽田空港国際線ターミナル駅」開業にあわせ、2010年10月から京急線全駅に「駅ナンバリング」を導入し、海外から訪れるお客さまなど、どなたにでもわかりやすい駅を目指しています。
快適通勤 ── 京急ウィング号
夕方のラッシュ時間帯のお客さまのニーズに応えるために、着席整理券でゆったりと帰宅できる「京急ウィング号」を1992年から運行しています。現在、三崎口行き、京急久里浜行きを計11本運転しています。
また、2001年から携帯電話による京急ウィング号の着席整理券を購入できるようにしました。



